猫が自分からケージに入る姿を見て、「どうして?」と不思議に感じたことはありませんか?
本来、猫は自由を好む動物。
そんな猫が自分からにケージに入ると、体調不良のサインなのではないかと不安に思う飼い主さんも多いのではないでしょうか。
猫が自分からケージに入る行動には、いくつかの理由や心理が隠れているのです。
本記事では、猫が自分からケージに入る理由や、猫が安心して過ごせるケージの環境づくりのコツについて解説します。
猫が自分からケージに入る理由

猫が自分からケージに入るのには、いくつかの理由があります。
ここでは、猫の習性や行動心理から考えられる代表的な理由を見ていきましょう。
安心できる場所として認識しているため
猫が自分からケージに入るのは、ケージの中が安心できる場所だと感じているためです。
猫は本能的に、背後や周囲が囲まれた狭い空間を好む傾向があります。
外敵の気配を感じにくく、音や光も適度に遮られるケージは、落ち着いて過ごせる場所として適しているのです。
外敵から身を守れるような構造の場所にいると落ち着けるため、ケージのように囲われた空間は、猫にとって理想的な隠れ家になりやすいのです。
猫がケージに入ってぐっすり眠っている様子が見られるなら、ケージを「安全で快適な場所」として受け入れている証拠といえるでしょう。
このように、猫にとっては安心してくつろげるプライベートな居場所として機能していることが考えられます。
ストレスや不安から避難するため
猫が自分からケージに入るのは、ストレスを感じたときに身を守ろうとしている場合もあります。
猫は非常に繊細で、模様替え、引っ越し、知らない人の訪問など、ちょっとした環境の変化にも強い不安を抱くことがあるためです。
そのため、ケージにこもることで、自分の気持ちを落ち着けようとしている可能性があります。
たとえば、掃除機の音が聞こえるたびにケージに逃げ込む場合、音に対するストレスから身を守っている行動かもしれません。
このようなときは、無理に引き出そうとせず、猫の気持ちが落ち着くまでそっとしておくことが、信頼関係を損なわないためにも大切です。
ケージ内で快適に過ごした経験があるため
猫は記憶力が良く、過去の経験を基に行動することが知られています。
ケージの中で安心して過ごせたことがあれば、「また入りたい」と思うようになるでしょう。
たとえば、以前ケージ内でおやつをもらった猫は、「ここに入るといいことがある」と感じて、自発的にケージを利用するようになります。
こうしたポジティブな印象が重なることで、ケージは次第にお気に入りの場所になっていくのです。
自分のテリトリーだと認識しているため
猫は強い縄張り意識を持つ生き物です。
そのため、ケージの中に自分のにおいが染み付いたタオルやおもちゃがあると、「自分のテリトリー」として認識します。
その結果、猫はケージを安心できる場所として受け入れ、必要なときに自ら足を運ぶようになるのです。
ケージが自分だけの安全な居場所だと感じている猫は、無理に誘導しなくても自然とケージを利用するようになります。
猫がケージで安心して過ごせる環境づくり7選

猫に安心してケージで過ごしてもらうには、猫の性質や好みに合わせた環境づくりが欠かせません。
ここでは、猫が「ここにいたい」と感じられるようなケージづくりのコツを7つ紹介します。
レイアウトや広さを見直す
猫にとって快適なケージをつくるには、レイアウトや広さが重要です。
ただ物を置くだけではなく、猫の動きや好みに合わせて空間を見直すことで、より安心して過ごせる居場所になります。
レイアウトの工夫としては、以下のようなポイントがあります。
- おもちゃや寝床の位置を少し変えてみる
- 上下運動ができるよう段差や棚付きケージを使用する
- ケージの向きを変えてみる
また、成長や性格に応じて、ケージの広さ自体を見直すことも大切です。
子猫の頃はコンパクトな空間で落ち着く場合が多いですが、成猫になると身動きが取りやすい広さを好むようになります。
狭すぎるとストレスになり、広すぎても落ち着かない場合があるため、猫の様子を観察して最適なサイズや配置を探っていきましょう。
変化を与えるときは一気にではなく、少しずつ調整しながら猫の反応を見て進めていくことがポイントです。
猫には上下運動を好む習性があります。猫の年齢などによりますが、2段~3段のケージが理想的です。
出典:@DIME>猫のケージはどこに置くのが正解?おすすめのレイアウトと選び方
騒がしくない場所に設置する
ケージの中がどれだけ快適でも、設置場所が落ち着かない環境だと猫は入りたがらなくなります。
猫は静かな空間を好むため、人や音の往来が多い場所は避けるのがよいでしょう。
避けたい場所の例は以下の通りです。
- テレビの真横(音や光がストレスになる)
- ドア付近(出入りが多く、ドアの開閉音がストレスになる)
- キッチン(においや音がストレスになる)
一方で、猫が落ち着きやすい場所の例は以下の通りです。
- 寝室の一角
- リビングの壁際
- 日差しが程よく差し込む窓辺の近く(ただし直射日光は避ける)
夏場は直射日光やエアコンの風が直接当たらない場所、冬場は冷気のこもらない場所を選ぶことで、猫が四季を通じて心地よく過ごせる空間になります。
また、ペット用の目隠しカバーなどを使用して、視界を適度に遮ってあげるのも効果的です。
ただし、完全に視界を塞いでしまうと逆に不安を感じる猫もいるため、猫の性格に合わせて調整してあげましょう。
クッション性のある寝床を用意する
ケージの床が硬いままだと、猫の体に負担がかかってしまい、長時間過ごすことがストレスになりかねません。
とくに年齢を重ねた猫や関節に不安のある猫にとっては、寝心地の良さが健康に影響します。
おすすめは、ふかふかのクッションや猫用ベッドを設置すること。
柔らかくて保温性のある素材を選ぶと、猫は自然とその上でリラックスするようになります。
季節ごとの寝床選びも重要です。
- 夏:通気性の高いひんやり素材
- 冬:フリースやボア素材で暖かさ重視
気温に合わせて敷物を変更することで、快適さが向上します。
愛猫のにおいがついた毛布やタオルを入れる
猫は、自分のにおいがついたアイテムに対し愛着を持ちます。
これは本能的なもので、「ここは自分の縄張りだ」と認識するための行動です。
そのため、ケージで安心して過ごしてもらうには、普段から使っている毛布やタオルをケージ内に入れてあげることが効果的です。
特に、新しいケージや引っ越し直後など、環境が変わったタイミングでは、自分のにおいのついたアイテムが緊張を和らげる助けになります。
ただし、多頭飼いの場合は注意が必要です。
他の猫のにおいがついた布を共有すると、テリトリー意識が刺激され、ストレスの原因になることもあります。
そのため、それぞれの猫専用に用意するとよいでしょう。
おやつや遊びでポジティブな印象をつくる
猫にとって「ケージに入る=いいことがある」場所になる工夫も欠かせません。
子猫や警戒心の強い成猫の場合、最初の印象が悪いとケージに近づかなくなることもあるため、“ごほうびスペース”としてのイメージづくりが効果的です。
例は以下の通りです。
- ケージ内におやつを置いておく
- 猫が好きなおもちゃでケージの中で遊ぶ
- 声をかけながらケージ内でスキンシップをとる
このようなポジティブな体験を重ねることがポイントです。
「楽しかった」「安心できた」という経験が積み重なると、猫は自然とケージを好むようになっていきます。
ただし、おやつの与えすぎには注意が必要です。
ケージの利用に慣れてきたら、ごほうびの頻度を徐々に減らし、自然な利用へとつなげることを意識しましょう。
ケージ内を清潔に保つ
猫はとてもきれい好きな動物です。
ケージの中が汚れていたり、においがこもっていたりすると、どれだけ居心地を工夫しても猫は入りたがりません。
快適に使ってもらうためには、清潔さの維持が重要です。
以下の点を目安に、定期的な掃除を習慣づけましょう。
- クッションや敷物は週1回を目安に洗濯・天日干し
- 食器やおもちゃは汚れが気になったらすぐに拭く
- トイレを置いている場合は、1日1回以上の清掃が理想
とくに暑い季節は湿気がこもりやすく、においの原因になりやすいため、換気にも気を配りましょう。
いつでも出入りできるように開放しておく
ケージを安心できる空間として使ってもらうには、「いつでも入れる、いつでも出られる」と思ってもらうことが大切です。
日常的にケージの扉を開けたままにしておくことで、猫は自分のタイミングで利用できるようになります。
扉を閉めたままにしていると、「閉じ込められる場所」「自由が奪われる場所」という印象を持たれやすくなります。
そのため、ケージに慣れるまでは無理に扉を閉じたり、急に押し込んだりしないように注意が必要です。
猫にケージを利用する際の注意点

ケージは猫にとって「安心できる場所」として活用するのが理想ですが、使い方を誤ると逆にストレスや不信感を招くことがあります。
猫との信頼関係を保つためにも、以下の点に注意しましょう。
長時間閉じ込めない
ケージは、猫が安心して過ごせる一時的な休憩スペースとして使うのが理想です。
本来は、猫が自由に出入りできる環境の中で、「落ち着きたいときに入れる場所」として機能させることが望まれます。
しかし、扉を閉じた状態で何時間も過ごさせるような使い方を続けていると、猫にとってケージは「自由を制限される場所」というマイナスのイメージに変わってしまうのです。
そうなると、自分から入ろうとしなくなったり、ケージに近づかなくなったりすることもあります。
ケージを閉めて使用するのは、以下のような、必要最小限の場面にとどめることが大切です。
- 通院や移動時の一時的な待機
- 来客時や掃除中などの短時間の避難
- 災害時の安全確保
普段は扉を開けて、猫が自分の意思で出入りできるようにしておきましょう。
そうすることで、ケージは“閉じ込める場所”ではなく、「安心できる居場所」として、猫にとって心地よい空間になります。
ケージを罰の場にしない
猫がいたずらをしたときや、問題行動をした後にケージに入れるのは避けましょう。
猫は経験から学ぶ動物なので、嫌な気分のときに入れられると「ケージ=罰」と覚えてしまいます。
一度でもそのようなイメージがついてしまうと、以下のような行動をとる可能性があるため、注意が必要です。
- ケージに近づこうとしない
- 中に入ると落ち着かずすぐに出てしまう
- 扉を見ただけで逃げる
ケージはあくまで、猫が自ら入りたくなる空間にすることが大切です。
問題行動の対処は、環境の見直しや気をそらす工夫など、別の方法で行いましょう。
ケージに急に入らなくなった場合は原因をチェックする
「最近ケージに入らなくなった」「前は好きだったのに避けるようになった」と感じたら、猫のまわりに何か変化があった可能性を疑ってみましょう。
原因として考えられるのは以下の通りです。
- ケージ内が汚れていて、不快に感じている
- においが変わった(他の動物や洗剤の残り香など)
- 家具の移動や引っ越しなどで周囲の環境が変わった
- 他の動物とトラブルがあり、ケージに不安を感じている
- 体調不良で狭い空間を避けたくなっている
まずはケージの清掃や寝具の見直しを行い、以前のような安心感を取り戻せるよう工夫してみましょう。
それでも様子がおかしい場合は、体調不良も考えられるため、獣医師への相談を検討することも大切です。
猫のケージに関するよくある質問
ここでは、猫のケージ利用について、よくある質問に回答していきます。
Q1. 猫が急にケージにこもるようになったのはなぜ?
これまであまりケージに入らなかった猫が、急にこもるようになったときは、ストレスや環境の変化によって不安を感じていることが考えられます。
- 来客や騒音などの外的な刺激
- 引っ越しや模様替えといった住環境の変化
- 新しいペットや家族の出現
こうした状況に置かれると、猫はケージを「安心できる避難場所」として使うようになることがあります。
ただし、長時間出てこない、ごはんを食べない、触れようとすると怒るなど、明らかに様子がおかしい場合は注意が必要です。
体調に異変があるかもしれないため、不安な場合は早めに動物病院で診てもらいましょう。
Q2. ケージに入っている時間が長すぎるのは問題?
猫が自分の意思でケージに入り、リラックスしているようであれば、特に問題はありません。
お気に入りの寝床として使っている場合は、自然な行動といえます。
しかし、以下のような様子が見られる場合は注意が必要です。
- 呼びかけても無反応で、ほとんど動かない
- ごはんや水に口をつけない
- 表情や鳴き方が普段と違う
こうした変化があるときは、ストレスや体調不良のサインかもしれません。
他の行動とあわせて観察し、異変が続くようであれば、早めに対応しましょう。
Q3. ケージで食事やトイレをさせてもいい?
ケージ内での食事やトイレは可能ですが、快適に使ってもらうためにはいくつかの工夫が必要です。
清潔さを保つポイントは以下の通りです。
- 食器とトイレはできるだけ離して設置する
- ケージが狭い場合は、トイレだけ外に置くのもおすすめ
- 定期的な掃除でにおいを防ぐ
猫はきれい好きなので、環境に不満があるとケージそのものを避けてしまうことがあります。
清潔で気持ちよく使える空間を保ちましょう。
Q4. 多頭飼いでもケージは必要?
はい、多頭飼いの場合でもケージは必要です。
猫はとても繊細な動物で、たとえ仲が良く見えていても、常に一緒にいたいとは限りません。
性格や関係性によっては、一定の距離を保つことでストレスを感じにくくなります。
理想的なのは、1匹につき1つのケージを用意することです。
それぞれが安心して過ごせる自分だけの空間があることで、トラブルの予防にもつながります。
もし設置スペースに限りがある場合は、視線が合わないレイアウトにしたり、仕切りや高さを活用したりして、猫同士が干渉しすぎないよう工夫するとよいでしょう。
Q5. 自分からケージに入ってくれないときは?
猫に無理やりケージへ入ってもらおうとすると、かえって警戒心を高めてしまうことがあります。
まずは、ケージを「安心できる場所」として認識してもらうことが何よりも大切です。
慣れてもらうためには、以下のような工夫が効果的です。
- ケージ内にお気に入りのおもちゃや毛布を置く
- おやつで自然に誘導し、ポジティブな印象を与える
- 扉を開けたままにして、自由に出入りできる状態を保つ
無理に押し込まず、猫のペースに合わせてゆっくり慣れてもらうことがコツです。
また、快適な寝床や静かな設置場所など、ケージそのものの環境を整えることも忘れずに。
こうした積み重ねが、猫にとっての「入りたくなる空間」づくりにつながります。
猫の気持ちに寄り添いながら、ストレスなくケージを活用できる環境を整えていきましょう。
まとめ:猫が自分からケージに入りたくなる空間を目指そう

猫が自らケージに入るのは、その場所に安心感や心地よさを感じている証拠です。
ケージは、正しく整えれば猫にとって大切な「自分だけの居場所」になります。
重要なのは、ケージを「閉じ込める場所」ではなく、「自ら進んで入りたくなる空間」として活用すること。
ふかふかの寝床、静かな設置場所、自由に出入りできる構造、そして中で過ごすポジティブな経験。
こうした要素がそろうことで、ケージは猫にとってより安心できる場所となります。
また、猫の性格や気分に寄り添いながら日々工夫を重ねることで、信頼関係もより深まります。
強制ではなく、自主性を尊重する姿勢が、猫との穏やかな暮らしにつながっていくでしょう。
猫が「ここにいたい」と感じられる、そんな居心地のよいケージの空間を目指して、少しずつ整えていきましょう。