秋の味覚として人気のある「栗」。
香ばしい匂いにつられて、愛猫が近づいてきたり、欲しそうな様子を見せたりした経験はありませんか?
しかし、「猫に栗をあげても大丈夫?」「どのくらいの量をあげてよい?」と不安に感じる飼い主さんも多いでしょう。
本記事では、猫が栗を好きな理由や正しい与え方、注意点について解説します。
猫が栗を好きなのはなぜ?

猫が栗に関心を示すのは、空腹によるものだけではありません。
猫の本能的な性質や行動パターンが影響しています。
ここでは、猫が栗に惹かれる主な理由を3つ紹介します。
好奇心によるもの
猫は非常に好奇心の強い動物です。
そのため、見慣れないものや普段の食事と違った形や質感を持つ物体には、本能的に強い関心を示す傾向があります。
栗は、キャットフードや猫用のおやつとは異なる形をしているため、おもちゃのようにじゃれてみたり、思わず口に運んでしまったりすることもあるでしょう。
猫が栗に反応するのは、「食べたい」という気持ちよりも、単純に好奇心がくすぐられているからかもしれません。
匂いや食感が気になる
栗の香ばしい香りは、人間にとっても食欲をそそるものですが、嗅覚が鋭い猫にとっても刺激的です。
普段のキャットフードにはない香りのため、好奇心をかき立てられて近づいてくることがあるでしょう。
また、猫は甘味を感じる味覚細胞をほとんど持っていません。
そのため、栗の甘さそのものに惹かれているわけではなく、ホクホクとした柔らかい食感に惹かれている可能性もあります。
飼い主の真似をしている
猫は、日ごろから飼い主の行動をよく観察しています。
食事中に栗を手に取ったり、美味しそうに食べていたりする様子に興味を示す猫も少なくありません。
こうした「同じものを欲しがる」行動は、単なるものまねではなく、飼い主との関係性を深めようとする一種のコミュニケーションと見ることもできます。
猫にとって、飼い主と同じものに関心を示すことは、距離を縮める手段のひとつなのかもしれません。
猫は栗を食べても大丈夫?

猫は栗を食べても、基本的には健康被害が出るような危険はありません。
ただし、与え方には注意が必要です。
基本的には食べてもOK。ただし少量に限る
栗には猫にとって有毒な成分は含まれていないため、少量であれば与えても大丈夫です。
しかし、猫は肉食動物であり、炭水化物を多く含む栗の消化は得意ではありません。
また、栗に含まれる栄養素は猫の健康維持に特別必要なものではなく、日常的に与える必要はないのです。
したがって、栗を与える際はあくまで少量のおやつとして、頻度を抑えて与えましょう。
栗に含まれる主な栄養素

栗には以下のような栄養素が含まれています。
- ビタミン類
栗にはビタミンB1やビタミンCといったビタミン類が含まれています。
ビタミンB1神経の働きをサポートする成分です。
しかし、猫の場合、キャットフードから十分に摂取できるため、栗で補う必要はありません。
ビタミンCは抗酸化作用があり、免疫機能の維持に役立つ成分ですが、猫は人間と異なり体内でビタミンCを合成できる動物です。
したがって、わざわざ食事から摂取させる必要はなく、むしろ過剰摂取による負担の方が懸念されます。 - カリウム
血圧の調整や筋肉の動きに関わる栄養素です。
ただし、過剰摂取は腎臓に負担をかけるおそれがあります。 - 食物繊維
腸内環境を整える働きがあります。
しかし、猫は必要量が少ないため、過剰に摂取すると下痢を引き起こす可能性があります。 - 炭水化物
エネルギー源として使われる成分です。
しかし、猫は炭水化物の消化が得意ではなく、与えすぎると消化不良の原因になります。
このように、栗に含まれる栄養素は、人間には健康的でも、猫にとっては必要のないものが多く、過剰に摂取すると体に負担をかけるおそれがあります。
そのため、積極的に与えるべき食材ではないといえるでしょう。
猫に栗を与える際の4つのリスク
栗は猫にとって毒性のある食材ではありませんが、与え方を誤ると健康に悪影響を及ぼすおそれがあります。
ここでは、猫に栗を与える際に考えられる主なリスクを4つ紹介します。

リスク① 消化不良
猫は炭水化物の消化が苦手です。
栗はデンプンを多く含むため、過剰に与えると嘔吐や下痢などの消化不良を起こす可能性があります。
リスク② 肥満・糖尿病
栗は糖質が高い食材です。
与えすぎることで肥満の原因になったり、長期的には糖尿病を引き起こすリスクも高まります。
とくに運動量の少ない室内飼いの猫には注意が必要です。
リスク③ アレルギー反応
猫によっては、栗に含まれる成分でアレルギー症状を引き起こす可能性があります。
食物アレルギーは、体質によってはどんな食材でも起こりうるため油断はできません。
栗が原因となる場合、以下のような症状が現れることがあります。
- 嘔吐や下痢
- 皮膚のかゆみや赤み
- 元気がなくなる、呼吸が浅くなる
初めて与える食材は体がどう反応するかわからないため、慎重に対応することが大切です。
少しでも異常が見られたら、すぐに栗の摂取をやめ、必要に応じて獣医師に相談してください。
リスク④ 尿路結石の誘発
栗に含まれる炭水化物を過剰に摂取すると、体内のミネラルバランスが崩れやすくなり、尿路結石や膀胱炎などのトラブルにつながる可能性があります。
特に持病のある猫には与えない方が安心です。
猫に栗を与える際の与え方

猫に栗を与える場合は、適切な量や頻度を守ることが大切です。
また、猫の体重に応じた調整も必要になります。
量の目安と頻度
以下は、猫の大きさに応じた1回あたりの適量と与える頻度の目安です。
| 体重の目安 | 1回の適量 | 頻度の目安 |
|---|---|---|
| 小型猫(2〜3kg) | 〜5g(栗1/4個程度) | 週1回まで |
| 中型猫(4〜5kg) | 5〜7g(栗1/4〜1/3個) | 週1〜2回まで |
| 大型猫(6kg以上) | 最大10g(栗1/2個程度) | 週2回まで |
上記はあくまで目安であり、猫の体調や年齢、運動量によっても適切な量は変わります。
たとえば、運動量の少ない高齢猫には、表の最大量よりも控えめに与えた方が安全です。
おやつとして与える場合は、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。
調理方法
栗を猫に与える際には、以下のステップで調理しましょう。
- 栗を加熱する
生の栗は消化しにくく危険なので、必ず茹でるか焼いて完全に火を通す - 味付けをしない
砂糖・塩・調味料などは猫にとって有害になる可能性があるため、無添加で調理する - 殻と渋皮を取り除く
外側の硬い殻と渋皮は消化不良や喉詰まりの原因になるため、しっかり取り除く - 小さくカットする
丸呑みを防ぐために、5〜10mm程度に細かくカットする - 常温まで冷ます
加熱直後は熱すぎるため、必ず常温まで冷ましてから与える
調理方法を守り、猫と安全に栗を楽しみましょう。
猫に栗をあげる際の注意点
猫に栗を与える際には、いくつかの大切なポイントを守る必要があります。
無添加の栗を選ぶ
栗を与える際は、必ず無添加で味付けされていないものを使用してください。
市販品の中には、猫にとって有害な成分が含まれている可能性があります。
以下のような市販品は絶対に与えてはいけません。
- 甘栗・甘露煮(砂糖が含まれている)
- 栗ごはん(塩分・調味料が含まれている)
これらは猫の体に負担をかける可能性があるため、「人が食べているから大丈夫」と思わずに、必ず猫用に安全なものを用意することが大切です。
初めて与えるときは体調をよく観察する
初めて栗を与えるときは、以下のような異変がないか数時間~1日は様子を観察しましょう。
- 食欲が落ちていないか
- 嘔吐や下痢がないか
- 元気に動いているか
少しでも不調があれば、獣医師に相談することをおすすめします。
喉に詰まらないようにする
栗は柔らかいものの、猫が丸呑みすると喉に詰まる危険性があります。
安全に与えるために、以下の点を意識しましょう。
- 必ず細かくカットし、飲み込みやすい大きさにする
- 十分に加熱して、やわらかくしてから与える
- 食べている間は飼い主がそばで様子を見る
- 子猫や高齢猫には、特に慎重に対応する
喉に詰まる事故は少量でも起こり得るため、必ず安全な形状・環境で与えることが大切です。
まとめ:猫に栗をあげるなら少量にしよう
栗は猫にとって毒性があるわけではないため、適切な量と与え方を守れば、食べさせることができます。
ただし、消化不良やアレルギー、肥満といったリスクがあるため、与え方には注意が必要です。
栗を与える際は、必ず加熱し、無添加のものを選びましょう。
そして、喉に詰まらないように小さくカットし、1回の量や頻度も猫の体重に合わせて調整する必要があります。
日常的に与える必要はない食材であることを理解したうえで、愛猫の体調や様子をよく観察しながら、無理のない範囲で与えるようにしましょう。